【週報巻頭言】2021年8月29日 あなたは神の国から遠くない(マルコ12章28~34節)
律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」(マルコ12章32、33節)
律法学者はイエスさまから答えをいただいて、とても喜んでいる様子です。これは神さまの真理を知った喜び、本当に大切なことを知った喜びです。イエスさまから教えていただきたい。あなたの言葉から本当のことを知りたい。これが神さまの言葉に対する正しい姿勢、態度です。イエスさまも議論するためではなく、相手を打ち負かすためではなく、あなたが神さまの言葉によって生きるために。その思いから語られたのです。私たちにもその思いから語られているのが、この神さまの言葉なのです。
主の言葉を聞いて喜ぶ律法学者に主はこう言われました。
イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。(マルコ12章34節)
主は律法学者が主の言葉を受け止めて、適切な答えをしたことを見て、このように言われました。「あなたは、神の国から遠くない」。ここでイエスさまが「神の国から遠くない」と言われたことについて、いえいえ、イエスさま、せっかくこの律法学者があなたの言葉を素直に聞いて答えているのだから、あなたは神の国の一員だ、もう神の国に入った、そう言ってあげた方がよいのではないですか?と言いたくなるのは私だけでしょうか?でも、イエスさまはそうは言っておられないのです。言われたのは「神の国から遠くない」ということでした。
これは、あなたが神の国へ入るには、あともう一歩という意味でしょうか?いいえ、私はこの言葉はこの人に対する神の国への喜びの招きの言葉だと思います。あなたは神の国から遠くない。それは、あなたは私と共に神の国を生きる者となるのだ。私と共に、神さまを愛し、隣人を愛する歩みを今から始めよう。そういう招きの言葉だと思います。そして、この招きの言葉は今、私たちにも与えられているのです。
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