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【礼拝説教】2022年2月6日「弱さを知らず」

聖書―マルコによる福音書14章27~31節
(はじめに)
 私たちの教会では、新型コロナの世界的な大流行が起こる前までは、毎月第一の日曜日に主の晩餐式を行っていました。主の晩餐式については、先月も触れましたが、イエス・キリストの十字架の救いのみわざをおぼえる式のことです。イエスさまはご自分の弟子たちにパンを与え、杯を与えました。そして、パンについては、私の体と言われ(22節)、杯については、私の血(24節)と言われました。イエスさまの体と血にあずかることによって、私たちは罪を赦され、イエスさまの命に生きる者とされました。私たちはこのことをいつまでも忘れないでいたいと思います。

(聖書から)
 イエスさまと弟子たちは賛美の歌を歌ってから、オリーブ山へ出かけました(26節)。その時のことが今日お読みしました聖書に書いてあります。まず、27節をお読みします。
14:27 イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたは皆わたしにつまずく。『わたしは羊飼いを打つ。すると、羊は散ってしまう』/と書いてあるからだ。
 イエスさまは弟子たちについて、このように言われました。「あなたがたは皆わたしにつまずく」。イエスさまの弟子たちみんながつまずく、というのです。ところで、つまずく、とはどういう意味でしょう?それは、イエスさまを信じられなくなること、イエスさまに従えなくなることです。あなたがたは、今は私の弟子として、私を信じ、私に従っているが、そうできなくなる時が来る、というのです。
 急にこんなことを言われて、弟子たちはとても戸惑ったと思います。では、イエスさまは、なぜ、弟子たちについて、こんなことを言われたのでしょうか?27節には、二重カギ括弧の言葉があります。これは聖書、旧約聖書の引用の言葉です。「わたしは羊飼いを打つ。すると、羊は散ってしまう」。この言葉はゼカリヤ書13章7節の引用です。ここで「わたし」というのは、神さまのことです。神さまが羊飼いを打つ。「羊飼い」とは誰のことかというと、イエスさまのことです。そして、「羊」というのは、イエスさまの弟子たちのことです。もう一度言います。神さまは、羊飼いであるイエスさまを打つ。すると、羊であるイエスさまの弟子たちは散ってしまう、というのです。
 「羊飼いを打つ」というのは、もっと具体的に言いますと、イエスさまが死なれるということです。イエスさまが十字架にかかって死なれる。すると、イエスさまの弟子たちは散ってしまうのです。ところで、気になるのは、「わたしは羊飼いを打つ」と言われています。先ほども言いましたように、神さまが羊飼いであるイエスさまを打つ、イエスさまを十字架にかかって死なせるようなことをする、というのです。つまり、イエスさまの十字架の出来事というのは、神さまのなさること、神さまの救いのご計画として行われることだというのです。
 これに続いて、イエスさまはこのように言われました。
14:28 しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」
 羊飼いが打たれる。イエスさまが十字架におかかりになる。そのことをお話しされた後、イエスさまはご自分が復活されることも話されています。イエスさまは十字架にかかって死なれます。しかし、それで終わりではありません。イエスさまは復活され、あなたがた、つまり、イエスさまの弟子たちよりも先にガリラヤへ行く、と言われたのです。
 ガリラヤとは、イエスさまが神さまの福音を人々に宣べ伝える働きを始められた場所です(1章14、15節)。そこへイエスさまは行かれるというのです。またガリラヤとは、イエスさまの弟子たちの故郷です。イエスさまはこの地でシモンとアンデレ、ゼベダイの子ヤコブとヨハネなどをご自分の弟子としてお招きになりました。そのガリラヤへ弟子たちに先立って行かれるというのはどういうことでしょうか?そのことについては、後で触れます。このイエスさまの話を聞いた一人の弟子とイエスさまの会話を続いて読んでみましょう。
14:29 するとペトロが、「たとえ、みんながつまずいても、わたしはつまずきません」と言った。
 弟子の一人であるペトロはこのように言いました。他の弟子たちがつまずいても、私はつまずきません!と言っているのです。私はこのペトロがこの言葉をいい加減な気持ちで言ったのではないと思います。心から、本気で、このように言ったのだと思います。イエスさまを愛し、イエスさまにどこまでも従っていきたいと願っていたペトロの気持ちが溢れているような言葉だと思います。ところが、ペトロに対して、イエスさまはこのように言われました。
14:30 イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたは、今日、今夜、鶏が二度鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう。」
 私はつまずきません!このように語ったペトロに対して、主は言われます。あなたは私のことを知らないと言うだろう。それも三度、知らないと言うだろう、と言われました。これを聞いたペトロはどう思ったでしょう。私は、ペトロはこのように思ったのではないかと想像します。ペトロの主に対する愛、忠誠心、そのことをどうして理解してくださらないのだろうか?その思いから出たのが次のペトロの言葉ではないでしょうか。
14:31 ペトロは力を込めて言い張った。「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません。」皆の者も同じように言った。
 この「ペトロは力を込めて言い張った」というのは印象的です。そして、このように言います。「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」。このペトロの思いはペトロだけでなく、他の弟子たちも同じでした。ですから、この後に「皆の者も同じように言った」とあります。ペトロの熱い思いに促されて、他の弟子たちも、みんなであなたを知らないなどとは言いません!と言ったのです。

(むすび)
 今日のこの聖書の話は、弟子たちの誓いの言葉、あるいは弟子たちの主を愛する思いが込められた言葉のように思います。確かにペトロや他の弟子たちが言ったことはそのまま、彼らの思いであり、心であったと思います。けれども、主は彼らの本当の姿をご存じでした。どんなに彼らが誓っても、どんなに彼らの主に対する思いが熱いものであっても、主は彼らが弱さを抱えた人間であることをご存じでした。一方、弟子たち自身は自分たちがどんなに弱い者であるかをこの時には気づいていませんでした。
 主は弟子たちに言われました。「しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く」。この「しかし」というのはどういう意味でしょうか。主はたとえ弟子たちがこんなにも勇ましいことを言っていても、ご自分が十字架におかかりになる時には、主を知らないと言ってしまう。そして、逃げ出してしまう。そのことをご存じでしたが、しかし、それでも、私はあなたたちを待っている。ガリラヤで待っている。そのように言われたのではないでしょうか。
ガリラヤとは、イエスさまの福音宣教の出発の場でした。そのガリラヤが今度は、弟子たちの再出発の場となることを主は知っておられたのです。この時点では、弟子たちの誰一人、「あなたがたより先にガリラヤへ行く」とイエスさまが言われた意味は分からなかったと思います。主が復活された後、彼らは自分たちの弱さに嘆き、自分自身に失望します。しかし、それでも主はガリラヤで待っておられる。再出発、やり直しをさせてくださる。主の愛を、主の赦しを後になって知ることになるのです。
 私はイエスさまが過越祭の前の夕食の時に弟子たちの足をお洗いになった場面で、言われた言葉が大好きです(ヨハネ13章7節)。
13:7 イエスは答えて、「わたしのしていることは、今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」と言われた。
 この「後で、分かるようになる」という言葉です。私たちの信仰生活を振り返ると、このようなことばかりではないでしょうか。今は分からないけれど、後で分かるようになる。主が言われたあのことは、主がなさったあのことは、こういう意味だったのか!今は分からなくても、後になって、主の愛に、主の恵みに気づかされる時が来る。だから、今は分からなくても、主が教えてくださる、気づかせてくださるその時を待ち望みながら、主を信頼して歩み続けていきましょう。

祈り
恵み深い主なる神さま
 ペトロも、他の弟子たちも、主が十字架におかかりになる前は、恐れを知らず、自分の弱さも知らず、勇ましく、力強く歩んでいました。しかし、主は彼らに言われました。「あなたがたは皆わたしにつまずく」。
 主はすべてをご存じでした。主が十字架におかかりになる時にはつまずいてしまう弟子たちに向かって、「しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く」と言われました。
 主を知らないと言ってしまい、逃げ出してしまう弟子たち。しかし、主はガリラヤで待っておられると言われました。ガリラヤで弟子たちは復活の主と共に再出発、やり直しをさせていただける恵みにあずかることになります。
 私たちの歩みもこの弟子たちと同じです。復活の主が私たちを起き上がらせてくださいます。だから、歩み続けることができます。今日も、明日も、主が私たちを起き上がらせ、共に歩んでくださいますように。
私たちの救い主イエス・キリストのみ名によってお祈りします。 アーメン

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