【週報巻頭言】2021年12月5日 香油を注いだことの意味(マルコ14章1~9節)
「イエスは言われた。『するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるから、したいときに良いことをしてやれる。しかし、わたしはいつも一緒にいるわけではない。この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。』」(マルコ14章6~9節)
イエスさまはご自分の頭に香油を注いだ女性のしたことについて、このように言われました。「わたしに良いことをしてくれた」。「この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう」。
イエスさまはすでに何度か、ご自分が十字架にかかって死なれることを弟子たちに話していました。もしかすると、この女性はそのことを聞いていたかもしれません。ナルドの香油というのは、葬りの時に用いられたそうですから、この女性はイエスさまが死なれる時に備えて、香油を注いだ、ということも考えられます。また、油を注ぐ、というのは、王さまの任職を意味します。この女性はイエスさまこそは私の王であるということをこの行為によって表したのかもしれません。いずれにしても、はっきりしたことは分かりませんが、イエスさまご自身は「前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた」とご自分の死を意識した言葉を語っておられます。この女性は自分では気づかないで、意識しないでしたことであったかもしれませんが、イエスさまは、私のために埋葬の準備をしてくれたのだ、と言われました。イエスさまは彼女の行なったことを通して、十字架の死、つまり、私たちを罪から救うみわざを示されたのでした。
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