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【週報巻頭言】2022年7月17日 心が二つに分かれないように(一コリント7章25~40節)

思い煩わないでほしい。独身の男は、どうすれば主に喜ばれるかと、主のことに心を遣いますが、結婚している男は、どうすれば妻に喜ばれるかと、世の事に心を遣い、心が二つに分かれてしまいます。独身の女や未婚の女は、体も霊も聖なる者になろうとして、主のことに心を遣いますが、結婚している女は、どうすれば夫に喜ばれるかと、世の事に心を遣います。(一コリント7章32~34節)

「思い煩わないでほしい」という言葉から始まっていますが、例えば、独身の男性は、独身時代だと、どうすれば主に喜ばれるか、と主のことに心を遣います。けれども、結婚すると、どうすれば妻に喜ばれるか、と神さまのことと妻のことで、心が二つに分かれてしまう、というのです。この心が二つに分かれる、というのが、思い煩う、という意味です。心が二つに分かれる、ということについて、よく知られている聖書箇所があります。マルタとマリアの姉妹の話です。イエスさまは、マルタを心配して、このように言われました。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している」(ルカ10章41節)。

マルタが思い悩み、心を乱してしまった。この思い悩む、というのが、心が分かれてしまっている、ということです。あれもこれもしなくては・・・と思い悩むマルタをイエスさまが心配され、言われた言葉です。そして、さらにイエスさまはマルタに「必要なことはただ一つだけ」(ルカ10章42節)と言われました。マルタにとって、この言葉がどんなに大きな慰め、救いの言葉になったことでしょう。「必要なことはただ一つだけ」。その一つとは何でしょうか?皆さんはお分かりだと思います。マルタはイエスさまのこの言葉に耳を傾けて、必要なことはただ一つ、第一にすべきもの、そこを見つめていった時、思い悩みから解放されたと思います。

パウロがコリントの教会の人たちに言ったのは、神さまの方に心を向けられなくなるから、結婚してはいけない、ということではありません。また、結婚した相手を喜ばせる、大切にする、ということが、不信仰とか、信仰的ではない、ということでもありません。神さまが与えてくださった夫、妻、子供、家族を大切にすることは、むしろ、信仰的なことです。ただ心が二つに分かれることのないように気をつけなさい、と言っているのです。神さまと家族、どちらを選ぶか、ということではなくて、どちらも大切にするべきです。ただ考え方としては、神さまあっての家族ということです。神さまを抜きにしての家族ではないのです。神さまから与えられた家族というところから考えていく時、第一のものから考えていく時、マルタのように思い煩いから解放されていくのではないでしょうか。

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