【週報巻頭言】2023年7月2日 その人に触れ・・・(マタイ8章1~13節)
イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち、重い皮膚病は清くなった。(マタイ8章3節)
ここで驚くような出来事が起こっています。「イエスが手を差し伸べてその人に触れ」とありました。イエスさまが、けがれた人とされていたその重い皮膚病の人に手を差し伸べて触れた、というのです。その人に触れたらけがれがうつる、と考えられていましたが、イエスさまは、その人に触れたのです。この様子を見ていた人たちはとても驚いたのではないかと思います。そして、イエスさまはこのように言われました。「よろしい。清くなれ」。この「よろしい」というのは、「これは私の心です、私の願いです」という意味です。先ほど出てきました「御心」、イエスさまの心ということです。「清くなれ」というのは、あなたの病気が治るように、ということです。すると、この人の重い皮膚病は清くなった。つまり、治った、ということです。
マタイ8章4節に書かれていますように、イエスさまは当時のユダヤの規定に従って、病気が治ったことを判定する祭司に自分の体を診せるようにしなさい、と言われました。このようにして、一人の人が癒されました。しかし、ここに書かれていることは、この人の体が癒された、というだけでなく、けがれた者とされていた差別、偏見から解放され、社会復帰できた、ということです。けがれているから触れてはならない、と言われていた人に、イエスさまは触れられたのです。あなたはけがれた人ではない。あなたは社会のただなかで生きていくことができる。そういうメッセージとして聞くことができます。この時代から二千年経った今、この日本においても、差別、偏見というものがいろいろな形であり、それによって、人が疎外される、孤立させられている、ということがあります。この聖書の出来事を通して、神さまの御心、イエスさまの心は何であるのか、教えられるのではないでしょうか。
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