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退き、前進へ(マタイ4章12〜17節)

福音宣教の開始、それはイエス様がナザレからガリラヤへ退かれて始まったことでした。バプテスマのヨハネが捕らえられるという状況にあって、福音宣教は始まったのでした。この退くということですが、イエス様は幼い時期、父ヨセフによって、二度、退いたことが聖書に記されています(マタイ2章13〜15節、19〜23節)。しかし、その退きというのは、神様の言葉に従うゆえのことだったのです。実は私たちの信仰生活というのも退いて生きるというものなのではないでしょうか。退く。自分の思い、自分の考え、それらのいっさいを退けて、神様に従っていくのです。一方、前進する、進んでいく。良いことのように思えますが、何のための前進か、そこを注意しなければなりません。自分の願い、自分の目的の前進。私たちはそのような前進ではなく、自分を退けて、主に従う。主が導き、主が進めるところへと従っていく。それが信仰の前進です。使徒パウロはフィリピ1章12節で「福音の前進」ということを言っています。しかし、その時のパウロは獄に入れられており、決して、前進と言える状況ではありませんでした。けれども、パウロの同労者たちは失望落胆することなく、立ち上がり、福音を伝えていったのでした。御言葉の力に励まされ、福音は前進していったのです。

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