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【週報巻頭言】2023年4月16日 信じます。信仰のないわたしをお助けください(マルコ9章14~29節)

その子の父親はすぐに叫んだ。「信じます。信仰のないわたしをお助けください。」(マルコ9章24節)

イエスさまは、病気に苦しむ息子の父親が「おできになるなら、わたしどもを憐れんでお助けください」(同22節)と言ったことに対して、このように言われました。「『できれば』と言うか。信じる者には何でもできる」(同23節)。このイエスさまの言葉に、父親はすぐに反応し、「信じます。信仰のないわたしをお助けください」と言いました。

考えてみると、この父親の言葉は不思議な言葉です。なぜなら、「信じます」と言っていますが、すぐその後に「信仰のないわたし」と言っているからです。これはどういうことかと言いますと、「イエスさま、あなたの前には、信仰があるかないか分からないような私ですが、その私をあなたにお委ねしますから、私を助けてください」ということです。先ほどのイエスさまが言われた「信じる者には何でもできる」、私に、あなた自身を委ねなさい、という言葉にこの人は応えたのです。

「信じます。信仰のないわたしをお助けください」。この父親の言葉ですが、これは私たちの言葉でもあると思います。イエスさまを信じている私たちは、自分はイエスさまを信じている、と思っていますが、本当に信じているのか?と問われますと、いつも揺れ動いているような状態だと思うのです。私たちの目の前の状況が良い時、何か事が上手くいっている時は、神さまは私を愛している、守っている、と受け止められて、神さまを信じられるかもしれませんが、そうでない時、試練や苦しみにあると、神さまは本当におられるのか?と思ったりして、神さまを信じられなくなる・・・。そんなことの繰り返しなのではないでしょうか。私たちの信仰というのは、それほどに弱い、不安定なものなのです。だからこそ、私たちもこの父親のように、「信仰のないわたしをお助けください」と言わざるを得ないし、「信仰のないわたしをお助けください」と祈る者でありたいと思うのです。

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