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【巻頭言】2020年6月28日 あなたがたが・・・(マルコ6章30~44節)

イエスさまは大勢の人々に対して、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」(37節)と言われました。弟子たちにとって、これはどう考えても無理なことでした。五つのパンと二匹の魚で人々の食事を用意することは不可能なことでした。しかし、これは主が弟子たちに無理難題を言われた、ということではありません。ここで大事なことはイエスさまが弟子たちに「あなたがたが」と言われたことです。「あなたがたが」、信仰というのは、他人事ではないということです。ただ傍観者として見ているだけではなく、あなたがたが神さまのみわざに関わりなさい、ということです。私たちは、時々、このように祈るのではないでしょうか。イエスさま、あれをしてください、これをしてください。自分は何も動かないで、関わらないで、主を自分の使いのようにして、あるいは自分ではない誰かが変わればよい、そんなことさえ願って、あれをして、これをして、と祈っていることはないでしょうか。もちろん、主は私たちの願いに耳を傾けてくださる方です。そして、祈りに応えてくださいます。それは私たちの願ったとおりというよりも、願った以上のことをなさいます。主のみ心によって応えてくださいます。しかし、ここでイエスさまは「あなたがたが」と言われるのです。あなたも私と共に神さまの働きに参加しなさい、と言われるのです。

イエスさまはパンと魚を弟子たちに渡して配らせました。この奇跡に弟子たち自身も参加したのです。イエスさまはパンと魚を手に取り、天を仰いで、賛美の祈りを唱えられました。人間の目から見ると、ほんのわずかとしか思えないパンと魚でした。しかし、主は、これは神さまが与えてくださったもの、神さまに感謝をささげられたのです。それと同じように、そこにいる弟子たち、人間の目から見ると、二百デナリオンもありません、何も持っていません、何もできません・・・。そう言ってしまうような弟子たちでしたが、イエスさまは、彼らも神さまがお立てになった一人一人、そのように言われ、神さまに感謝をささげられたのではないでしょうか。そして、主は弟子たちを用いて、この奇跡を行われたのです。

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