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イエス・キリストのピスティス(信仰、真実)、キリストは律法のテロス(終わり、目標)

日本の聖書翻訳はだいたい30年ごとに行なわれてきました(日本聖書協会)。1954、55年の口語訳、1987年の新共同訳、そして、今年、聖書協会共同訳が出版予定です。聖書の翻訳のことで言いますと、例えば、ローマ書3章22節と同10章4節は翻訳に違いがみられるところです。昨年出版された新改訳2017(いのちのことば社)では3章22節は「イエス・キリストを信じることによって」となっていて、従来の訳文と変わりませんが、脚注に「イエス・キリストの真実によって」とあります。10章4節については「律法が目指すものはキリスト」となっています。ちなみに口語訳では3章22節は「イエス・キリストを信じる信仰」、10章4節は「キリストは・・・律法の終り」となっています。新共同訳は3章22節が「イエス・キリストを信じることにより」、10章4節は「キリストは律法の目標」です。3章22節の議論としては、従来の訳「キリストへの信仰」では人間の側の信仰に強調点が置かれていたのではないか、ということ。それに対して、原文通りに「キリストの真実」と訳して、キリストの救いのみわざをもっと強調すべきではないか、ということ。10章4節では、「終わり」と「目標」の違いがありますが、キリストが律法の成就者であることをもっと示すべきではないか、ということ。このようにして、翻訳作業は留まることなく続きます。聖書は翻訳においては完成ということはないのです。聖書の翻訳の歴史、過程などを知る時に、翻訳聖書は絶えず改善されていくこと、それと共に私たちの信仰も絶えず改革されていくことが必要であることを思わされます。

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